9月2日 成田〜グアムへ

 恒例のジャンケン、今年は過激派?からの脅迫電話があったらしい。空港拡張工事中なのにジャンケンなどのお祭り騒ぎをするとは何事かと言うのが理由らしい。多分ジャンケンで落ちた人間が嫌がらせでもしているのだろうが気分が悪い。
 過激派といえば、去年僕は過激派と間違えられてしまった。ウルトラクイズでアメリカのH2ビザを申請したとき、どうやら僕と同性同名のマークされてる人間がいたらしく、出発 3日前までビザが下りなかったのだ。実際去年は僕の人となりをしっている人間は皆無であり、ひょっとしたら本物かもしれないと思われたらしい。などど思っているうちにジャンケンも終ったようだ。事前に持病を持っているのが判っている何人かが通ったようだ、心配の種が増える。本音をいえばここらで落ちて欲しかった。ま、何とかなるだろう、今までなんとかなったんだから。

成田発全日空 911便で一路グアムへ

 機内クイズ。いつもながらセッテイングの速さに驚く。ロッキード事件で悪名高いトライスターの前方の 150席を借りきり、離陸後すぐに前方 2列を倒しベースと呼ばれる収容基地を設営する。そして撮影開始である。僕はクイズの採点係である。とはいうももの別に対した仕事ではなく、機械的にチェックするだけである。答えは三者択一で、プラスチックの下敷きで正解のところに穴を明けたものを答案用紙の上におけば自然と採点できるようになっている。まあ少し気持ちが悪くなるぐらいでなんてこたあない。小笠原上空にさしかかる頃一段落となる。そういやあここも東京なんだなあ。

グアム着 14時 30分小雨

 いわゆる通称ブーブーゲートのセッティング。電気仕掛けだから雨には弱い。本番中は辛うじて雨は止んでいた。ラッキー。
 15名がおっこちた。哀れにもグアムの地を踏めずに帰っていくのだ。
 しかし毎度の事ながらグアムの通関はのんびりしている。いわゆる南方時間なんだろう。
ふと見ると税関の連中は去年と同じ人達だ。やばい、あのオッちゃんやたらなまりのある英語で世間話しだすからなあ。そそくさと列を変える。僕らはビジネスビザだから何処へ行っても必ず "Your occupation?"と聞いてくる。 "Medical doctor"と答えた日にゃもう大変、ペラペラとわけの判らない話しをしだす。何処の国へ行っても医者ってのは英語がペラペラだと思っているらしい。冗談じゃない。バテレンの言葉など喋れるはずがない。うちの田舎じゃあ関西弁だけ喋れればいいんだ。

17時 45分 パシフィックスターホテル着

 いつのまにか外は土砂降りの雨、泳ぐわけにもいかないので部屋で待機。
 フロントのほうではスタッフのバッゲージが 3個、部屋に届かないと行っている。ありがちなトラブル。

19時よりスタッフミーティング

 スタッフミーティングとは次の日の日程。クイズ形式、罰ゲームの内容などを事細かに説明し、本番撮影にもれのないようにする集まりである。ついでにここでスタッフについて少し説明しておく。まず制作、これは番組を作るためのお金集め、人集め、支払い、交渉、果てはホテルの部屋割りまでやる仕事で、プロデュウーサーとよばれる。演出陣とは呼んで字のごとく実際の現場で指揮をする連中で、ディレクターというのがこれに当る。技術陣と言うのはカメラ、ビデオ、録音等機械的な部分を取り扱い、美術はいわゆる大道具、小道具といった実際の撮影に必要なものを揃える係である。構成は問題を作ったり、せりふを決めたりする。ついでに言えば大道具とは決して大きなものを作るわけではなく、物自体を作る連中の事を言う。小道具とはそれの注文を受け発注し、受け取ったものを渡す人である。 ADアシスタントディレクターというのはすべてのスタッフの下働きであり、 ..奴隷である。
 あれ、留さんの声がおかしいぞ。ゼコゼコして殆ど声になっていない。1ケ月のズームインでの日本縦断と高校生クイズ、そして今日の成田とグアムでの声の酷使がたたったんだろう。しょっぱなからやばいなあ。取り敢えず消炎酵素剤と去啖剤、トローチで様子を見よう。それでだめならステロイド使うしかないか。本人は一年に一回くらいなってしまうといって、結構ケロッとしている。取り敢えず今晩は声を極力出さないで下さいと念を押しておく。チーフディレクターのKに相談したところ、「少しぐらい声が潰れていた方が臨場感があっていいんです。それに本人プロだから何とかしますよ。」とのたまった。ひどいやっちゃなあと思いつつも心配しても始らないので食事に行く事にする。
 これから先の日程を考え、和風のステーキ屋さんへ行きましょうと構成作家のHさんが誘ってくれる。Hさんはウルトラ第一回からの古株(失礼)でとりあえずこの人についていれば食い物の心配はない。ホテルからビーチぞいに歩いて行く。雨も上がり、夜風が気持ちいい。ほんの10分ほどでレストランにつく。海老とステーキのコースを頂く。今日はデートもないので(東京でも年に一回ぐらいしかないが)大蒜をたっぷりきかせて貰う。うまい。東京で食べたら何万になるんだろうと思う。
 レストランを出ようとしたら、土砂降りの雨であった。タクシーを呼ぶ。何時も思うが、外国のタクシーのサービスの悪さたるや一昔前の国鉄以上である。ホテルの玄関まで行っても軒下には行かない。「なめんなよ。」とジャパニーズスマイルで言ってタクシーを降りる。明日は、恒例の泥んこクイズ、もっとも心配で最も忙しい一日だろう。早く寝ておかなくっちゃ。

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