2008年11月12日
麻生総理そしてこち亀 




最近のニュースでご覧になった方も多いだろう。


なんとひょんな事から麻生総理と同席する機会があった。


亀有の商店街に、こち亀の両津勘吉の少年時代の銅像が建つことになったので、その除幕式に呼ばれたのだ。

亀有にこち亀の銅像が建つのは三体目。
駅前に制服姿の両さんとお祭り姿の両さんとが二体建っている。


除幕式にはそのたびに呼ばれていて、原作者の秋本治先生と会えるし、
アニメが終わっても呼んでもらえるのは嬉しいので。毎回列席している。


いつも亀有商店街の両さんドラ焼きで有名な「いせや」さんの旦那さんが世話人として獅子奮迅の活躍で、
とくに今回は銅像が建つのが商店街の中なので、いつにも増して頑張っている。

ゲストには葛飾区選出の平沢勝栄議員もやってくる。

ここらへんはさすが政治家。選挙を控え、地元のイベントには足繁く顔を出さなければならないわけだ。


ところが今回はそれに加え、急遽三日前に麻生総理も列席することになったらしい。


大変なのは亀有商店街だ。

こっちはそんな国家的プロジェクトじゃない。
物凄い手作り感覚の庶民的イベントなのに。


警察やSPが大挙にやってきて、かえってやたら面倒臭いことになってしまった。

折しも雨の中、神主さんのお祓いなどあった後、何やらざわついたと思ったら、物々しい感じで麻生総理登場。


促されて像の向かって左側に麻生さん。
右側に秋本先生と私。


まずは秋本先生が握手して会話。前に会ったことがあるらしく、総理も話がはずんでいる。


さあ次は私と握手だと用意していたら。


なんと総理はおいらをガン無視


えー


握手どころか、一回も目を合わす事もない。


いやいやちょっと待ってよ。

漫画好きなんじゃないの?庶民派アピールなんじゃないの?


俺、両さんの声やってるんすけど


ははあ。


この人、俺の事知らないな。
漫画好きでもアニメはみてないのね。
てか、ラサール石井を知らないな。


待ってくださいよ。


俺、電通調べ認知度98%なんですけど 



てか、百歩譲って知らなくても。
銅像の横に自分以外に二人しか立ってないんだったら、二人に挨拶しませんか?


なんで俺をシカト?

いやあ、なんかヘンだよこの人。


ていうか、馬鹿だなあ。


ウソでも握手のひとつもしとけば、俺があとで「麻生さん、意外にいい人だったよ!」って
ブログやトークでどんだけ言うか。


いや、そりゃ俺だって礼儀はありますよ。
立場上こっちから挨拶するのが筋でしょそりゃ。


でもね。ちょっとでも目があえばいいけど、全くガン無視じゃあ。
なんか、そこにいないみたいに扱われたら、その気もなくなるよ。


ただでさえこっちはいい印象持ってないんだから。


でまあ、除幕式があり、一人ずつ挨拶なんかして。


「いやあ。こち亀の世界は面白い。夢がある。ここにいる新聞記者なんか嫌な事しか書かねえけど。」


この人。なんか一言余計なこと言わないと気がすまないんだな。


きっと記者連中には嫌われてるんだろうなぁ。


挨拶終わったらSPを引き連れ民族大移動。

商店街を視察するらしい。
つったって、お供引き連れて、あらかじめ決まった場所を案内されるがままに連れてってもらい、
せんべい食べたり、スーパーでほうれん草の値段聞いたりしてるだけ。


これって庶民派アピールになってるの?


他人事ながら心配になってくる。


どう見ても江戸時代のお殿様が城下町にやってきて。

「爺ィ。これはなんじゃ?」
「は。ほうれん草にございます。」


みたいな風にしか見えないんですけど。


面白かったのは残された秋本先生と私。


その後マスコミの写真撮影になってたんだけど。


カメラマンたちも早く麻生さんの所に行きたいもんだから、早々に撮影してどんどんいなくなり、
替わりに素人のオジサンやおばちゃんが携帯で写メとりだして。


周りも普通は止めるんだろうけど、そこは商店街の人達。


全くほったらかしでニコニコしている。


こんな警備体制でさっきまで総理大臣がほんとにいたんだろうか。


そういや、俺のマネージャーがブログ用の写メ撮るのに、
総理大臣の1メートルぐらいのとこで、携帯構えてたっけ。


あいつ人相悪いのに、よく取り押さえられなかったな。


もう先生と俺の前には完全に素人だけになって、全員が携帯構えてる。


係の人が「もう、よろしいですかぁ」って。


いや、そりゃもうよろしいでしょう。






2008年11月17日
お騒がせ
ここ何日か、ずっとホテルにこもり芝居の脚本を書いていた。

たまにしか携帯を手に取らず、時折手にしてブログを見たら、見るたびにエライことになっていて驚いた。

これが世に言う炎上というものなのだろうか。

アクセス数もコメント数も、超人気ブログ一日分の10分の1くらいの数で、
炎上と呼ぶのもおこがましいのだが。

たしかに燃え上がったのは事実のようだ。

言ってみれば、細々やっている駄菓子屋に溢れかえるように
人が来てしまったような状態で、店主は慌てふためいている。

結論から言えば、問題の日記を削除し、コメント欄を一時的に閉鎖させていただいた。

日記を削除したのは、あらためて読み直してみると、自分から見てもたしかに好印象ではなかったこと。

御指摘の通り、書き方を変えれば、もっと傲慢ではなく、しかももっと笑える、
そしてもっとリアルな文章が書けたはずであった。

今までもブログを書く視点はあまり大所高所に立ったものではなかった。
ほぼ自分の半径10メートルぐらいの範囲の事を書いていた。

ところがその半径10メートルに総理大臣が入って来たもので、自分のその狭い範囲の世界の中だけで、
一国の総理を描いてしまった。
そのことが描写に客観性を欠き、傲慢になってしまったのだと思う。

そんな文章を、このまま読むつもりのなかった人の目にまで触れさせることもないであろうと
今回は削除させていただいた。

言わば欠陥商品の自主回収のようなものだ。

コメント欄も同様に、言葉が嵐のように渦巻く状況を一度鎮静化するために、しばらくお休みさせてもらう。

以上の事をこのブログを読んできてくれた皆様にお詫びいたします。


思えば、30代や20代の頃には、もっと言葉を大事にものを書いていたような気がする。

いや、10代の中学生の頃に友達と詩集を作っていた頃も。自分の気に入る表現を探すために、
一言に多くの時間を費やしたりしていた。 

年を取りさらに慎重になるべきところを、過信が驕りをうみ、言葉が垂れ流しになっていたようだ。


思いつきでサクサク書くのもブログの利点だが、それなりの推敲は必要だ。


中には言っていることは正論であったと言う人もいた。
だから日記を削除するべきではなかったと。


一度公に発言したことを、バッシングされたぐらいで引っ込めるのは卑怯だということであろう。


それもわかるが、全くの無視を決め込み篭城することも、
敢えて反論し矢刺さり血だらけになることも、私は選べなかった。


もちろん全面降伏しているわけではない。伝えたい真意もあった。誤解されない表現も模索していきたい。
自分の名誉のために断固闘わなければいけないときもあるだろう。


しかしそれは今ではないと判断した。


なによりもそれだけの体力が現時点ではなかったのだ。


とにかく今回は貴重な経験をさせていただいた。



テレビでは教育テレビの「リトルチャロ」が流れている。


シンプルなアニメであるが、その言葉の持つ意味は深い。


原作はわかぎえふ。


えふちゃんいい仕事してるね。


俺も「言葉」を大事に頑張るよ。


ブログはまだ続けて参りますのでヨロシク。。。